熱いモノが冷めるのは、実は偶然だった!
こんにちは、みんなの科学研究所の蛯原ようすけと申します。
おとなとこどものやさしい理科と科学のブログです。
お風呂は、時間がたつと冷めて、もう一回、追いだきが必要になったりしますね。
ホットの缶コーヒーなどのを手にもっていると、やがて、缶コーヒーの温度は、
さめて手と同じくらいなります。
どうも、熱は温度の高いところ、低いところをなくすような動きをする感じですね。
熱は、温度が高いところから低いところへ流れて、平均化していくといった感じがしますね。
私たちは、たくさんの経験からそうだという状況証拠を知っています。どうもこれは間違いないように思えます。
本当に、いつもいつもそうなのでしょうか。熱いモノはさめて冷たくなるは、確かにそうだけど、
たまに例外とかないのでしょうか。なんか不思議な感じがしてきましたね。
ちょっと考えてみます。
そのためには、モノのしくみをミクロな目で見てみることにします。
どんなモノでも、分解していくと、小さい原子(げんし)や分子(ぶんし)の粒になります。
分子(ぶんし)の粒は、原子(げんし)の粒があつまってできた粒です。
さみしがりの原子(げんし)の粒は、仲間を集めて、分子(ぶんし)の粒になっています。
たとえば、酸素分子(さんそぶんし)は酸素原子(さんそげんし)の粒が2個くっついている粒です。
水分子(みずぶんし)は、酸素原子(さんそげんし)の粒1個と、水素原子(すいそげんし)の粒2個がくっついた粒です。
これらの原子(げんし)や分子(ぶんし)の粒は、たえず、動いていて、止まることはありません。
温度が高い粒ほど、動きが激しくて、温度が低い粒は、動きが鈍い性質があります。
宇宙を作った”神様”がこういう性質になるようにしてしまったのです。
なんか私たちとよく似ていますね。夏がはつらつと元気に外出するけど、
冬は、こたつでじっとしているのとよく似ていますね。
温度が高い粒は、熱エネルギーをたくさん持っていて、動きが激しくなります。
例えば、空気の中にいる空気分子(くうきぶんし)の粒は、とてつもなくたくさんあります。
空気の中にいるとてつもなくたくさんの空気の粒は、みんなそろって動いているのでしょうか。
そんなにうまい具合にいくはずはありませんね。
気温30℃の空気の中にいる空気の粒のなかには、激しく動く粒もいれば、
動きの鈍い粒もいます。
激しく動く粒が、動きの鈍い粒に衝突したりもします。
衝突したとき、激しく動く粒から動きの鈍い粒へ、エネルギーが移ります。
激しく動いていた粒は、衝突して、動きがすこし鈍くなり、
動きの鈍かった粒は、衝突でエネルギーをもらって、少し動きが速くなります。
私たちとよく似ていますね。走ってきてぶつかれば、ちょっと痛くて、スピードが落ちますね。
そして、相手が軽ければ、相手はスピードを増して吹っ飛んでいきますね。
それで、モノの中での粒どうしの衝突を良く調べてみると、
温度が高いモノでは、激しく動く粒の割合が高くて、
温度が低いモノでは、動きのにぶい粒の割合が高くなっているのです。
そういう”割合”なのです。ホントに確率と同じです。なんともあいまいな感じですね。
激しく動く粒は、動き回るので、動きの鈍い粒に衝突する可能性が高くなります。
温度が高いモノの中にいる粒は、動きの鈍い粒にたくさん衝突して、
温度がだんだん温度が低くなっていきます。
そして、だいたい平均化した温度になっていきます。
熱いモノがさめて冷たくなるのは、こういうしくみだったんですね。
熱いモノがさめて冷たくなるという現象は、
たんに、そうなる確率が高かったからそうなったということなのです。
激しく動く粒は、よく動き回るので、動きの鈍い粒に衝突する確率が高かったというわけで、
何かの自然法則にしたがって、そうなっているのではなかったのです。
もっと、単純に言うと、「偶然」そうなっている、ということだったのです。
なんか驚きですね。理科の世界に確率がでてきていいものでしょうか。
そんなあやふやなものなのでしょうか。
現在、私たちは知っている知識では、
現象を完全に解き明かすことはできないけれど、その可能性が高いか低いかは分かる、というところまでです。
モノをミクロの粒まで分解して、現象を明らかにしようとすると、どうしても、確率的にしか分からないのです。
理科の中心が確率だなんて・・と思いますね。まだ、私たちの知らない知識があるのかもしれません。
【みんなの科学研究所】 理念:好奇心から生まれるしあわせ
蛯原ようすけ
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