白い煙は水蒸気が水滴になったモノ
こんにちは、みんなの科学研究所の蛯原ようすけと申します。
おとなとこどものやさしい理科と科学のブログです。
保冷剤などでドライアイスが良く使われますね。
氷と違って、水で濡れないので便利ですよね。
ドライアイスをそこら辺に置いておくと、白い煙が出てくるのを見たことがあると思います。
この白い煙は何なのでしょうか。
ドライアイスと空気のあいだで何がおきているのでしょうか。
ちょっと考えてみます。
ドライアイスは二酸化炭素(にさんかたんそ)から出来ています。
二酸化炭素(にさんかたんそ)は、モノを燃やしたらできる気体で、私たちも呼吸で、吐き出しています。
気体の二酸化炭素(にさんかたんそ)はどうやったら、ドライアイスのような固体になるのでしょうか。
二酸化炭素(にさんかたんそ)を容器の中に集めて、上からギュウギュウ押しこんで、上から圧縮します。
そうすると、二酸化炭素(にさんかたんそ)の粒どうしの距離が近くなって、お互いにぶつかりあうようなります。
このとき、動いていた二酸化炭素(にさんかたんそ)がぶつかって、動いていたエネルギーの一部が熱のエネルギーにかわって
熱くなります。そこで、冷却装置を使って、二酸化炭素(にさんかたんそ)をいれた容器を冷やします。
そして、とうとう、二酸化炭素(にさんかたんそ)の粒どうしが、無理やりお互いに手をつながされて、液体になります。
気体の二酸化炭素(にさんかたんそ)は、二酸化炭素(にさんかたんそ)の粒が一人ぼっちで、空気中を飛び回っていたのですが、
容器の中に集めて、上からギュウギュウ圧縮したら、無理やり手をつながされて、液体になります。
ここでは、まだ液体の二酸化炭素(にさんかたんそ)です。
次に、二酸化炭素(にさんかたんそ)を霧吹きで、霧状に吹き出します。
そうすると、液体のなかで、無理やり手をつながされてストレスがたまっていた二酸化炭素(にさんかたんそ)の粒は、一気にブワーっと広がっていきます。
広がっていくためには、二酸化炭素(にさんかたんそ)の粒が自分で動いていかなければなりません。
動いていくためのエネルギーは、二酸化炭素(にさんかたんそ)の粒が持っている熱エネルギーを使います。
二酸化炭素(にさんかたんそ)のようなモノの粒は、-273℃になると、熱エネルギーがゼロになるけれども、
-273℃より温度が高いと熱エネルギーを粒の中に持っている特徴があります。
ブワーっと広がっていくために、自分のもっていた熱エネルギーを使うので、自分の温度は下がります。
その結果、液体の二酸化炭素(にさんかたんそ)を霧状に吹き出すと、
二酸化炭素(にさんかたんそ)の粒は、ブワーっと広がって温度が下がって、固体の氷の粒になります。
固体の氷の粒を集めて、形を整えると、よくみかけるブロック状のドライアイスができあがります。
水を冷やして氷をつくるよりも、結構手間がかかりますね。
白い煙の正体は何なのでしょうか。
ドライアイスの温度は-79℃です。とても冷たいのです。
空気中にドライアイスを置いておくと、まわりの空気が冷やされます。
空気の中に住んでいることができる水蒸気の数は決っていて、空気の温度が低くなると少なくなります。
ドライアイスで冷えた空気のなかにいた水蒸気は、定員オーバーで水滴になります。
この小さい水滴は、光を四方八方に反射するので、その光が目に届いて、白く見えるようになります。
ドライアイスの白い煙は、水蒸気が冷えてできた、小さい水滴だったんですね。
ところで、ドライアイスは、固体から気体へと一気に変化します。
固体から液体に変わって、液体から気体にかわって、という手間をジャンプします。
これは、固体のドライアイスの中にいる二酸化炭素(にさんかたんそ)の粒たちがお互いに手をつないでいる力が弱いために、液体をすっ飛ばして気体になってしまうためです。
私たちの暮らす気温と気圧のところに、ドライアイスを置くと、
二酸化炭素(にさんかたんそ)の粒が空気から熱のエネルギーをもらって元気になります。
そして、モゾモゾを動き始めて、とうとう、お互いに手をつないでいた手が切れて、二酸化炭素(にさんかたんそ)の粒になって
空気中に出て行ってしまうのです。私たちの暮らす気温と、気圧のときには、この現象がおきます。
理科の言葉では、昇華(しょうか)といいます。昇華(しょうか)は気温と、気圧の条件しだいでは、ほかのモノでもおきます。
ドライアイスをお湯に入れるとどうなるでしょうか。
ものすごい勢いで、固体から気体の二酸化炭素(にさんかたんそ)へと変わるでしょう。
気体になると、固体の中でじっとしていた二酸化炭素(にさんかたんそ)の粒が、ビュンビュン飛び回るので、体積が増えます。約750倍になります。
いっきに体積が増えるので、ドライアイスをいれていた容器がこわれたり、お湯が跳ね上がったりします。
あまり、やらないほうがよさそうですね。
【みんなの科学研究所】 理念:好奇心から生まれるしあわせ
蛯原ようすけ
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