どうして、化石の年がわかるの?

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化石の年は、太っちょ炭素(たんそ)の数で分かる



こんにちは、みんなの科学研究所の蛯原ようすけと申します。

おとなとこどものやさしい理科と科学のブログです。

 

 

化石は生きていた動物などが死んで、土の中で石のようになったものですね。

恐竜の化石などがみつかると、およそ何年前の恐竜の化石だ、という感じで、

恐竜が死んだ年が調べられますね。

 

どうやって、化石の年がわかるのでしょうか?

ちょっと不思議ですね。調べてみます。

 


その前に、生きものの体を作っている材料の炭素(たんそ)のしくみについてみてみます。

炭素(たんそ)は、鉛筆の芯や、炭など、にたくさん含まれています。

私たちの体の中では、体のもとになるたんぱく質の中にいます。

 

炭素(たんそ)は小さい小さい粒です。

その構造は、中心に原子核(げんしかく)がいて、そのまわりを電子(でんし)が飛び回っています。

中心の原子核(げんしかく)には、陽子(ようし)という粒と中性子(ちゅせいし)という粒がだんごのようになって住んでいます。

 

炭素(たんそ)の原子核(げんしかく)には、

陽子(ようし)の粒が、6個、

中性子(ちゅせいし)の粒が、6個、住んでいてだんごじょうたいになっています。

電子(でんし)の数は、陽子(ようし)の粒と同じ、6個になります。


こうのような炭素(たんそ)の原子(げんし)が、地球では、99%ですが、

たまに、太っちょの炭素(たんそ)の原子(げんし)がいます。


中性子(ちゅせいし)の粒がすこし多い、太っちょの炭素(たんそ)なのです。

中性子(ちゅせいし)の粒の数が、1つ多い7個の炭素(たんそ)と、

中性子(ちゅせいし)の粒の数が、2つ多い8個の炭素(たんそ)がいます。


この太っちょ炭素(たんそ)のうち、中性子(ちゅせいし)の粒の数が、2つ多い8個の炭素(たんそ)が、

化石の年を計算するのに使われます。

 

太っちょ炭素(たんそ)は中性子(ちゅせいし)の粒の数が多くて、

たまに、中性子(ちゅせいし)の粒が、電子(でんし)の粒を放出して、

陽子(ようし)の粒に変身してしまうのです。

 

そうすると残った炭素(たんそ)は、

陽子(ようし)の粒の数が、6+1=7個、となります。

 

原子核(げんしかく)の中の陽子(ようし)の数が7個のモノは、窒素(ちっそ)です。

太っちょ炭素(たんそ)は、窒素(ちっそ)へと変わってしまうのです。


太っちょ炭素(たんそ)が、窒素(ちっそ)へと変わって、

太っちょ炭素(たんそ)の数が、半分になるまで、5700年かかると分かっています。


最初に32個の太っちょ炭素(たんそ)があったとすると、5700年後に、16個に減ってしまいます。

さらに5700年たつと、8個に減ってしまいます。

さらに5700年たつと、4個に減ってしまいます・・・

この特徴が、化石の年を計算するのに使われます。

 


生きものは、生きているとき食べ物をたべます。このときに、炭素(たんそ)を体に取り込みます。

そして呼吸して、二酸化炭素(にさんかたんそ)にして、空気中に吐き出します。

そして、植物が、その二酸化炭素(にさんかたんそ)と光から、でんぷんとつくりだします。

その植物を動物がたべて、その動物を私たちがたべて・・と炭素(たんそ)は循環をくりかえします。


つまり、生きている生きものの体の中にある、太っちょ炭素(たんそ)は、だいたい一定で変わらないのです。

 

ところが、生きものが死んでしまうと、食べ物をたべてとりこむ太っちょ炭素(たんそ)がなくなるし、

呼吸で外にはきだしたりもしないので、

太っちょ炭素(たんそ)の循環が止まってしまいます。

体のなかに残された太っちょ炭素(たんそ)は、

5700年たつと、半分になるということを繰り返していきます。


空気のなかにある太っちょ炭素(たんそ)の数はいつも一定で、その数は調べることができます。

空気のなかにある太っちょ炭素(たんそ)を仮に、32個だと仮定すると、

そして、死んだ生きものの中の太っちょ炭素(たんそ)の数を数えて、

比較すると、何年前に死んだのかが分かるようになります。

 

死んだ生きものの中の太っちょ炭素(たんそ)の数が3個だっとすると、

 

32個の半分が16個、ここまで5700年かかる
16個の半分が8個、ここまで5700年×2=11400年かかる
8個の半分が4個、ここまで5700年×3=17100年かかる

 

だからだいたい、2万年前にで死んだ生きものだと分かるようになります。

こうやって、化石の年を計算していだんですね。

炭素(たんそ)にもたまに太っちょがいて、それが、窒素(ちっそ)へ変身するとは、

宇宙の仕組みは不思議ですね。


【みんなの科学研究所】 理念:好奇心から生まれるしあわせ

蛯原ようすけ 

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