人工知能は人工無能から始まる
最近、よく人工知能とかAI(エーアイ)という言葉を目にしますね。
AI(エーアイ)は、 artificial intelligence の略です。
1955年にはじめて、AIという言葉が誕生しました。
人工知能ってなに?といいうと、これが、簡単そうで、
なかなか明確に答えにくいのです。
広く言えば、「コンピュータを知的に振る舞わせるプログラム」
と言えます。
スマホなどの漢字カナ変換入力、インターネットの検索、
音声認識、質問にこたえる会話なども人工知能と言えてしまいます。
人間の知能とは、ちょっとちがうなあという感じを持たれたのではないでしょうか。
そうなんです。
人工知能は、かならずしも人間の知能を表現することではないのです。
コンピュータの知能について、いろいろ議論がありますが、
1950年にチューリングという人が発表した論文が有名です。
「チャットなどの文字だけの対話によって、
相手が本物の人間かコンピュータか判定できないのならば、コンピュータには知能がある」
この解釈には、いろいろな議論がありますが、
現在もチューリングテストとして知られています。
チューリングテストで知能があるといっても、やはり、コンピュータに人間のような知能があるとは言いがたいと感じられたのではないでしょうか。
そこで、このような対話するコンピュータを、人工無能と呼ぶこともあります。
人工無能は、辞書データベースと対話の入力文から、機械的に応答文を生成しているだけです。
感情も、自意識もないので、”なにも考えていない” のです。
だから、人工無能なのです。
インターネットの発達で、会話辞書データベースがどんどん集まるようになりました。
自動的にデータベースに新しい、会話を登録していくこともできるようにもなってきました。
このため、人工無能が機械的に生成する応答文にもバリエーションが増えました。
これはこれで、会話の言語をコンピュータが学習して知識を獲得したとも見えます。
人工知能を” コンピュータを知的に振る舞わせるプログラム ”とすれば、
この人工無能は、ほとんど人工知能ですね。
最近、マスコミで人工知能が注目され始めたのは、
コンピュータが学習して知識を獲得するプログラムが開発されたためです。
人工無能を学習させれば、あたかも、自ら考えて、会話に応答するように
見せることができるようになります。
人工無能は、 人間の知能を表現することとは限りませんが、
ものすごく役に立つ技術なのですね。
【みんなの科学研究所】 理念:好奇心から生まれるしあわせ
蛯原ようすけ minna.no.kagaku@gmail.com
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