なべがこわれないように、圧力を自動調整する装置がついているんです
こんにちは、みんなの科学研究所の蛯原ようすけと申します。
おとなとこどものやさしい理科と科学のブログです。
なべにフタをして でお湯を沸かすと、フタがカタカタと持ち上がって動きますね。
蒸発してきた水蒸気(すいじょうき)がなべのフタにぶつかって、
フタを持ち上げて、水蒸気(すいじょうき)が外へ飛び出しているんですね。
しっかりフタをして、この水蒸気(すいじょうき)をなべの中に
閉じ込めた圧力のなべの中では何が起きるでしょうか。
しっかりフタをすると、水蒸気(すいじょうき)が逃げていかないので、
圧力なべがこわれてしまいそうですね。
大丈夫です、ちゃんとこわれないようになっています。
ちょっと詳しく知りたくなりますね。
水は、液体から気体の水蒸気(すいじょうき)にかわるときに、
体積が、約1600倍にもなるといわれています。
1600倍にふくらんで、自由にあっつこっちへ飛び回りたい
水蒸気(すいじょうき)の粒ををなべのせまい中に閉じ込めると、
水蒸気(すいじょうき)の粒が、フタやなべの壁にガンガンぶつかってきます。
こうなった状態を圧力(あつりょく)が高くなったといいます。
圧力(あつりょく)が高くなると、水が沸騰(ふっとう)する温度も高くなります。
水が沸騰(ふっとう)するときは、水の表面にガンガンぶつかってくる空気の粒の力に勝って、
水蒸気(すいじょうき)の粒が、空気の中へ飛び出して行きます。
もし、水の表面にガンガンぶつかってくる空気の粒の力のほうが強い場合には、
水蒸気(すいじょうき)になって飛び回ろうとした粒は、また水の中へと戻されるので、
沸騰(ふっとう)しません。
私たちが普通に暮らしている時、空気が押してくる力で空気の圧力がかかっています。
圧力なべの中では、私たちが普通に暮らしている時の圧力より約2倍の圧力になっています。
このときの、水が沸騰(ふっとう)する温度は120℃くらいになります。
沸騰(ふっとう)する温度が高くなると、料理をする時間が短くなったり、
食べものをおいしく料理できたりと、いいことがあります。
逆に、山の上など空気が薄(うす)いところでは、
水が沸騰(ふっとう)する温度は低くなって100℃より低い温度で沸騰(ふっとう)します。
こうなると、食べものを料理してもちゃんと火がとらず、イマイチな感じになっていまいます。
さて、
圧力なべでちょっと注意するところがあります。
あんまりしっかりふたをすると、
どんどん蒸発(じょうはつ)してくる水蒸気(じょうはつ)で、
なべのなかの圧力がどんどん高くなってしまいます。
なべの壁が耐えきれないほど圧力が高くなると、
なべの壁がこわれて、ボンっと爆発(ばくはつ)を起こしてしまいます。
そこで、圧力なべには、圧力が高くなりすぎないようにする装置がついています。
ガンガンぶつかってくる水蒸気(すいじょうき)の粒が、
ふたについているオモリを押し上げると、
ちょっとスキマがあいて、
水蒸気(すいじょうき)がなべの中から外へ逃げていくようにしてあります。
こうやって、ちょっとずつ水蒸気(すいじょうき)をなべの外へ逃がすようにして、
圧力なべの中の圧力が高くなり過ぎないようにしています。
圧力なべの中の圧力は、こうやって、水蒸気(すいじょうき)の力を使って
うまく自動的に調整されていたんですね。
よくできていますね。
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蛯原ようすけ
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